建設DX技術・サービス

i-Construction

i-Constructionがもたらす建設現場のイノベーション

i-Constructionは、建設現場におけるICT技術の導入により新たなイノベーションをもたらし、建設業界はこれまでにない変化を迎えることが期待されています。

i-Constructionとは

i-Construction

i-Constructionとは、建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す取り組みとして国土交通省が提唱するプロジェクトです。
このプロジェクトは、コンピューターやネットワークなどのICT技術を、建設現場の測量や施工・検査などのプロセスに取り入れることで、生産性の向上と経営環境の改善を目的としています。

i-Construction3つのポイント

i-Constructionではトップランナー施策として、「ICTの全面的な活用(ICT 土工)」、「全体最適の導入(コンクリート工の規格の標準化等)」、「施工時期の平準化」の3つが設定されています。

ICT技術の全面的な活用

規格の標準化

施工時期の平準化

i-Constructionの目指すもの

  • 一人一人の生産性を向上させ、企業の経営環境を改善
  • 建設現場に携わる人の賃金の水準の向上を図るなど、魅力ある建設現場へ
  • 建設現場での死亡事故ゼロに
  • 「きつい、危険、きたない」 から 「給与、休暇、希望」 を目指して

当社のi-Construction受賞事例

一般国道231号石狩市 床丹防波柵設置外一連工事

北海道開発局i-Con奨励賞2021を受賞しました
工事概要
施工延長 L=228m
舗装工 アスファルト舗装 A=751m2
作業土工(床掘り) V=1,500m3
防波柵基礎工 基礎コンクリート V=744m3
防波柵設置工 柵高 6.7m L= 60m
柵高 3.4m L=168m

[施工条件]

片側交互通行による施工(夜間開放)
気象条件(越波)により作業中止有り

施工前

完成イメージ(3D+点群)

完成写真

3次元起工測量

TLS(地上型レーザースキャナ)による起工測量の実施

施工場所は多くの人が利用する一般国道であり、安全面を配慮して車道上での作業を必要としないTLSによる起工測量を行いました。点群データを取得することで、追加の測量なしで任意測点での2次元横断図を抽出することが可能となり、業務が軽減されました。設計の変更により施工延長が増加しましたが、追加の測量なしで対応することができました。

3次元モデルの作成と活用

支障物への対応

仮道計画においては、安全な走行車線の確保のために3次元モデルを活用しました。施工時は、防波柵の基礎や舗装工に必要なスペースを確保しつつ、山側に仮道車線を設置して走行の安全性を保証する必要があります。3次元モデルから疑似的な走行動画を作り、離隔や擦付距離、運転視野などの安全性を確認し、施工の可否を判断、影響範囲の判定を行います。検討の結果、起点側60メートルが施工不可と判断されました。影響を受けたCCTVカメラについては早期に協議を行い、一時撤去を実施しました。

舗装工への活用

施工箇所の既設道路に関する諸元データが不足していたため、起工測量のデータを利用して、現況を詳細に把握し、設計データを作成しました。

起工測量で取得した点群

縦断図作成

3次元モデル作成

遠隔臨場

遠隔臨場による品質証明検査の実施

遠隔臨場による検査を5回実施することで、品質証明員の移動時間を延べ20時間短縮できました。これにより品質証明員の負担が軽減されました。また、始業時や夕方にも検査が可能になり、効率的に検査を実施することで、工程を短縮することができました。

検査状況(本社)

検査状況(現場モニター)

規格の標準化

プレキャスト製品活用による生産性向上

従来の施工方法では、型枠設置からコンクリート打設、養生・脱型までに約12日間がかかりましたが、プレキャスト製品を活用することで施工日数が4日に短縮され、8日の工程短縮が実現されました。

従来工法(過年度施工状況)

プレキャスト製品設置

施工ステップ4Dシミュレーション

「4D」とは、3次元データに時間情報を組み込んだものです。これを使用することで、施工手順や変更案を施工ステップシミュレーションで可視化し、工程や安全施工に関するより具体的な検討が可能になります。

ICTを活用した無人化施工事例

一般国道231号石狩市厚田法面復旧工事でのICTの活用

2023年3月、石狩市厚田区を走る国道231号において融雪水が盛土に侵入したことによる法面崩落が発生。これにより約9.4㎞の区間が通行止めとなりました。本区間は物流や観光の重要ルートであり早期の復旧が求められましたが、崩落箇所が海に面していることや、再び崩落する危険もあることから無人重機を遠隔操作する無人化施工を行うこととしました。また、道路上からは重機が目視できないこと、無線通信が遮られてしまうことから無人重機のオペレーションを海上から行うことを決断。海上からの遠隔操作による無人施工は北海道初の試みです。

崩落場所
1.海上からバックホウを遠隔操作

無人のバックホウを操作するオペレーターを乗せた作業船を回航

作業船の上からの目視のほか、船上に配置したカメラ、ドローンで撮影した映像を見ながらオペレーターが遠隔操作でコンクリートの塊を破砕

2.無人キャリアダンプで運搬

破砕したコンクリート塊と土砂を、海岸沿いの安全な場所から別のオペレーターが遠隔操作する無人のキャリアダンプに積み込み、運搬しました。

ICTを活用した攪拌管理事例

広島築堤共栄地区盛土工事でのICTの活用

本工事は、千歳川河川整備事業に基づき、千歳川の築堤盛土を行う工事です。築堤高さを石狩川本川と同様にし、幅の広い堤防にすることで、高い水位が長時間続いても耐えることのできる堤防を作るものでした。
約59,000m3の築堤盛土を行うための材料は、粘性土と砂質土による土砂混合攪拌により造成するものであり、均一で安定した混合攪拌が築堤盛土の品質に繋がるため、土砂混合攪拌の品質管理が求められる工事でした。

盛土状況

完成 2021年12月

1.攪拌方法(ロータリースタビライザーによる土砂混合攪拌)
  1. 粘性土と砂質土を試験により決定した配合比率(当工事では粘性土1.0に対し砂質土2.0)に敷均し、整形を行う。
  2. ロータリースタビライザーを装着したバックホウにより、土砂混合攪拌を行う。ロータリースタビライザーを回転させながら、ブームを左右に旋回させることで盛土に適した材料を造成する。
攪拌土断面図

撹拌機械(左:ロータリースタビライザー、右:0.8m3級バックホウ)

2.攪拌管理に地盤改良管理システムを採用

このシステムは、GNSSを用いた3DMGバックホウシステムに専用アプリケーションを組み合わせ、施工位置と改良深度を管理するマシンガイダンスシステムで、重機オペレータの技量に依存しない安定した攪拌品質の確保と攪拌作業の効率化、現場での区画割り作業の軽減、帳票整理等の施工管理業務の軽減といったメリットがあります。

システム概要図

情報化施工による土砂混合攪拌の状況

施工記録のデータ化により、帳票を自動作成

車載モニターで攪拌状況をリアルタイムに確認

攪拌回数を色分け表示

MR(複合現実)を活用した、施工ステップの可視化

石狩川改修工事の内北村遊水地逢坂樋門新設工事でのMRの活用

MR(複合現実)は、仮想空間を体験するVRと現実空間にデジタル情報を重ねて見せるARを組み合わせた技術で、当社ではこの技術を施工方法や手順の事前確認に活用しています。専用ゴーグルを装着することで、目の前の現場風景に設計図を基に作成した3Dモデル映像が表示され、これから作る建築物や道路などを立体的に見ることができます。ゴーグル越しの操作で着工から完成まで段階ごとの映像を見比べることもでき、工事関係者のイメージの共有が容易になるため効率的で質の高い施工が行えます。

BACK TO TOP