解析に基づく施工
解析に基づいた安全かつ確実な施工
当社は、土木施工において、地盤解析や三次元温度応力解析、構造解析など、多様な解析を実施して施工計画に反映しています。
これにより、地盤の安定や沈下の制御、周辺地盤や構造物の変形に対応し、より安全な施工を実現しています。
地盤解析に基づく施工計画
軟弱地盤上で土工構造物を構築する場合には、地盤の安定や沈下の制御、周辺地盤や構造物の変形について管理する必要があります。このため、「圧密沈下解析」と「斜面安定解析」を事前に行い、その結果を施工計画に反映させてより安全な施工を行っています。
また、法肩に近接したクレーン作業の際にも事前に「斜面安定解析」を行い、必要に応じてクレーン設置位置の見直しや設置足場の地盤改良を行うことで、周辺地盤の変形やクレーンの転倒を防止しています。
斜面安定解析結果
三次元温度応力解析によるひび割れ制御技術
コンクリート構造物において、厚さ80~100cm以上の広がりのあるスラブや下端が拘束された厚さ50cm以上の壁はマスコンクリートと呼ばれ、適切な方法で十分な期間の養生を行わないと、セメントの水和熱に起因したひび割れが発生する可能性が極めて高くなります。
マスコンクリートの施工では、事前に「三次元温度応力解析」を実施し、解析結果に基づいてひび割れ対策、打設計画や養生計画を立案することで、有害なひび割れの発生を抑制し、構造物の長期耐久性を向上させています。
三次元温度応力解析によるひび割れ指数分布図
地盤条件や施工条件に対応した仮設構造物の検討
(土留め工、鋼矢板二重締切工)
土留め工は、設定した作用荷重に対して十分な強度を有しているとともに、周辺に支障を与えるような有害な変形を生じさせないようにする必要があります。そのため、「土留め工の解析・図面作成プログラム」を使用して、現地に合致した地山条件、切梁設置時期や盛替え時期等の施工条件を設定し、施工計画に反映させています。
また、鋼矢板二重締切工は、出水期に堤防開削する工事において、治水上堤防にかわる河川施設として位置付けられるため、仮設構造物であっても本設構造物と同等の機能が確保されるように設計する必要があります。
そのため、「二重締切工の解析・図面作成プログラム」を使用して、中詰め土に使用する材料の変更、タイロッド設置位置の変更や掘削深さの変更等の設計条件の変更や現地の不整合に速やかに対応しています。
土留め工の解析結果
構造解析による事前検証
管体埋戻し時の変形やコンクリート構造物解体時の建設機械の載荷等、土木構造物に作用する荷重には、設計時に考慮された荷重以外に施工時のみに載荷される施工時荷重があります。
施工時荷重は、通常10kN/m2の等分布荷重等が考慮されていますが、解体工事等では大型の建設機械が直接構造物に載ることで想定以上の施工時荷重が発生する場合があり、構造物が倒壊する可能性が生じます。この様な場合には、安全に施工できるかの事前検討が必須となります。
そのため、「構造解析プログラム」を使用して、事前に安全性を検証し、施工に反映させています。
コンクリート構造物解体時の構造解析結果