お知らせ

受賞

2022.12.01

日建連表彰2022 第3回土木賞を受賞しました

日建連表彰2022 第3回土木賞受賞
一般国道40号 音威子府村 音中トンネル工事 ~蛇紋岩の強大地圧下における山岳トンネルの建設~


弊社を含む共同企業体で施工した、「一般国道40号 音威子府村 音中トンネル工事」が、日建連表彰2022 第3回土木賞を受賞しました。本賞の受賞は、北海道内のプロジェクト・構造物では今回が初めてとなります。
 

日建連表彰 土木賞について

日建連表彰は、一般社団法人日本建設業連合会が実施する、BCS賞(建築分野)と土木賞(土木分野)の2つで構成される表彰制度です。
このうち土木賞は2020年に創設され、事業企画から維持管理までの総合評価に加え、施工プロセスの改善や良質な社会資本の効率的創出、土木技術の発展・伝承などが優れた土木分野のプロジェクト・構造物に贈られる表彰で、第3回土木賞には41件の応募があり、その中から特別賞2件を含む12件のプロジェクト・構造物が選出されました。
 

受賞理由 (日本建設業連合会ホームページより)

一般国道40号線は、旭川と稚内を結ぶ北海道北部の幹線道路であり、そのうち、音威子府村と中川町の区間は地形や気候の影響で通行止めの頻発する区間として、地域の日常生活や経済活動の負担となっていた。そのため、4本の山岳トンネルを含む延長19kmの音威子府バイパスが事業化され、バイパス中最長の延長約5kmの音中トンネル工事が2010年に着工された。
このトンネルの施工区間には脆弱な地質の蛇紋岩域があり、掘削当初、それに留意し多重支保構造の採用やインバート曲率変更等で対応していたが、2014年2月、強大な土圧と不均一に硬軟が分布した地質によって支保工に局所的に応力が集中したことから、アーチ部支保工破壊、天端崩落等による変状発生区間が発生し、掘削半ばでトンネル坑内が閉塞した。
変状発生区間における掘削工事再開にあたり、安全を最優先とし、支保天端上部のゆるみ領域に対する地山改良、先受鋼管の打ち込みによる岩塊保持等の崩落対策を実施し、この変状発生区間を通過した。また、強大地下圧下での耐力保持を達成するため、数値解析を駆使し史上最大規模となる掘削断面181㎡の真円形三重支保構造を採用するとともに、インバート建込みエレクターを新規開発し投入することで支保工作業の効率化を図った。
変状発生区間に続く新規掘削区間には、破砕帯や緑色岩が存在したため、新規工法として中央導坑先進工法を採用するとともに、PCa埋設型枠の多用による省人化、変位計測と数値解析を用いた長期の時間依存性変位挙動に対する耐久性を高めた覆工設計等を適用し、2020年貫通に至った。
本工事は10年という年月をかけ、その間、社会貢献活動を通じて地元との良好な関係を保ちつつ、史上類を見ない高土圧と脆弱な地質の組み合わせという過酷な施工環境に対し、順次新規技術を導入し完成させたことが評価され、日建連表彰土木賞に値するものと認められた。
 

工事概要

所在地  :北海道中川郡音威子府村~中川郡中川町
施設管理者:北海道開発局旭川開発建設部士別道路事務所
設計者  :パシフィックコンサルタンツ株式会社
施工者  :清水・伊藤・岩倉特定建設工事共同企業体
      (清水建設株式会社・伊藤組土建株式会社・岩倉建設株式会社)
関係者  :山﨑建設株式会社東京支店
      佐々木・広谷建設株式会社
      苫重建設株式会社
      株式会社旭都鉄筋工業所
      株式会社エイチ・アール・オー
      株式会社エーティック
着工年月 :2010年3月12日
竣工年月 :2022年6月10日
 


本工事の施工にあたって、ご指導・ご協力いただきました多くの関係者の皆様にお礼申し上げます。
弊社では、すべての工事を最良の品質で完成させられるよう、今後も技術の向上に努めてまいります。

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