施工実績
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目指したのはボルネオの森。
日本で一番しあわせな
オランウータンにしてあげたくて。
2023年10月竣工
円山動物園 (仮称)オランウータン館新築工事
施設の老朽化により建て替えが進められていた円山動物園のオランウータン館が、2023年10月末に完成しました。
本施設はオランウータンが精神的にも肉体的にも健康でしあわせに暮らせること、東南アジア熱帯雨林の環境や生物多様性の重要性を多くの来園者の方に実感していただくことを目的としており、新施設の床面積は、旧施設のおよそ3倍となる約1,300㎡。屋内展示場は約200㎡から100㎡の大小3面を用意し、オランウータンが利用可能な空間の高さは旧施設の約2倍の最高8mとなりました。
屋内展示場には、本物そっくりの木や岩が設置され、天井の窓からはやわらかな自然光が降り注ぎます。湿度や温度もオランウータンの生息地であるボルネオ島に近づけるよう管理されており、なんとスコールを発生させる装置まで備えられています。
施工にあたってもオランウータンの施設ならではの配慮が必要でした。オランウータンは力が強いうえに手先が器用なため、逸走のリスクが高い動物です。オランウータンの生活空間側にあるボルトには簡単に外せないような工夫をしたり、さまざまな設備の強度面で人間が使用する建物以上に検討することが多く、たいへん手間がかかりました。
このほかにもオランウータンが安全かつ快適に過ごせることを第一に、生態に添った工夫が随所に施されています。そのため工事担当者たちは、飼育見学や生態の勉強など、たくさんの貴重な経験をしながら工事を進めていきました。新しい施設が完成した今は、多くの方に楽しんでいただきたいのはもちろんですが、なによりオランウータンたちがこの施設を気に入って、毎日しあわせに暮らしてほしいと願いながら、春の開館を待っています。