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目指したのはボルネオの森。
日本で一番しあわせな
オランウータンにしてあげたくて。

2023年10月竣工
円山動物園 (仮称)オランウータン館新築工事

  • 新施設を上空から。右手前が入口。
  • 上部に窓のある部分が屋内展示場。それより後方(この写真では右側)はバックヤードで、非公開のサブパドックや健康管理のためのトレーニング室、検疫室などがある。
  • オランウータン館入口。自然な風合いの壁にオランウータンのシルエット、手書きのサインがスタイリッシュ。
  • 入ってすぐの展示小屋エリア。間接照明とウッディな磁器質タイルを使った温かみのある空間。
  • 草木が植えられ、木製チップが敷きつめられた観覧エリア。オランウータンの放飼場との一体感が魅力。
  • 滝が流れる岩壁と立木は人工物
  • 近くで見ても本物そっくりの岩と木。職人の技が光る。
  • 【観覧エリア】月日とともに草木が成長し、より緑豊かになっていく。
  • 【観覧エリア】亜熱帯の森を再現するため、昆虫や魚なども飼育される予定。
  • 【小放飼場①】四方八方に伸びる木は動物園内の倒壊しそうな危険木を伐採し再利用した物。(砂利の部分にはこの後、木製チップが敷きつめられる)
  • 【小放飼場①】オランウータンには、来園者は森の中にいるように見えるのかな。
  • 【小放飼場②】なんとこの倒木も人工物。細部まで妥協のない仕上がり。(砂利の部分にはこの後、木製チップが敷きつめられる)
  • 小放飼場の壁画の中にひそむオランウータン。見つけられるかな。
  • こちらはさらに難易度アップ。見つけられたらすごい!
  • 【大放飼場】ぶら下がっているのは消防ホースを利用した遊具。(砂利の部分にはこの後、木製チップが敷きつめられる)
  • 展示場上部には細いワイヤーで編み込まれたネットが張り巡らされており、オランウータンの生活エリアと人間の観覧エリアを隔てている。
  • 【バックヤード】オランウータンは上部の柵格子状の通路を使って行き来する。
  • 【トレーニング室】円山動物園のオランウータンは、このように腕を出して注射ができるよう訓練されている。
  • 【サブパドック】壁から突き出ているのはベッドで、暖房が内蔵されている。
  • 【調理・物品室】オランウータンの健康維持に必要な調理環境が整えられている。

施設の老朽化により建て替えが進められていた円山動物園のオランウータン館が、2023年10月末に完成しました。

本施設はオランウータンが精神的にも肉体的にも健康でしあわせに暮らせること、東南アジア熱帯雨林の環境や生物多様性の重要性を多くの来園者の方に実感していただくことを目的としており、新施設の床面積は、旧施設のおよそ3倍となる約1,300㎡。屋内展示場は約200㎡から100㎡の大小3面を用意し、オランウータンが利用可能な空間の高さは旧施設の約2倍の最高8mとなりました。

屋内展示場には、本物そっくりの木や岩が設置され、天井の窓からはやわらかな自然光が降り注ぎます。湿度や温度もオランウータンの生息地であるボルネオ島に近づけるよう管理されており、なんとスコールを発生させる装置まで備えられています。

施工にあたってもオランウータンの施設ならではの配慮が必要でした。オランウータンは力が強いうえに手先が器用なため、逸走のリスクが高い動物です。オランウータンの生活空間側にあるボルトには簡単に外せないような工夫をしたり、さまざまな設備の強度面で人間が使用する建物以上に検討することが多く、たいへん手間がかかりました。

このほかにもオランウータンが安全かつ快適に過ごせることを第一に、生態に添った工夫が随所に施されています。そのため工事担当者たちは、飼育見学や生態の勉強など、たくさんの貴重な経験をしながら工事を進めていきました。新しい施設が完成した今は、多くの方に楽しんでいただきたいのはもちろんですが、なによりオランウータンたちがこの施設を気に入って、毎日しあわせに暮らしてほしいと願いながら、春の開館を待っています。

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