建築実績
国立民族共生公園体験交流ホール(仮称)新営18建築工事
国の貴重な文化でありながら存続の危機にあるアイヌ文化を復興・発展させる拠点として、また、我が国が将来に向けて先住民族の尊厳を尊重し差別のない多様で豊かな文化を持つ活力のある社会を築いていくための象徴という「重要な意義を有する国家的プロジェクト」として、白老町に整備しているウポポイ(民族共生象徴空間)の一部である「体験交流ホール」の新築工事です。
構造はS造、規模は地上2階、建築面積1,622.85㎡、延べ床面積1,666.96㎡。
【建物の特徴① 建築計画の基本方針】
- 人々が集う「体験・交流の輪」をつくる
緩やかな円を描く平面形、建物の裏をつくらず、どの方向から見ても風景と調和した建築
- 山並みに呼応した大屋根のデザイン
合理的で単純なアーチ曲線を用いつつ、見る方向によって形が変化するデザイン
- 顔の見える交流を促す求心的なホール
スラストステージ形式(張出舞台)と扇形客席レイアウトによる、演者と客が一体となる空間。
ステージ背面の借景窓から対岸の風景を取り入れ、現代的な新しいルールと、伝統的なコタンの風景を対比。
【建物の特徴② 難易度の高い鉄骨】
2階建てのホールがある無柱空間、柱は太くΦ355.6mmの円柱、円を描く平面形、そしてアーチ曲線を描く屋根、当然鉄骨を曲げるわけにはいかないので、直線の組み合わせで建物の骨組を構築しました。建物の位置・柱の芯を一つとっても、角度があり施工図作成も施工自体も難易度が高い建物でした。
鉄骨の組み合わせが複雑な現場であり、他工事(国立アイヌ民族博物館、体験学習館等)や現場内の調整など、安全品質工程管理が非常に大変でした。また当工事では週休二日制に取り組み無事竣工まで達成しました。
協力会社の皆様や他工事の元請業者様との協力があって無事故で竣工を迎えることができました。
概要
用途 | 文化施設 |
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地域 | 北海道 |
所在地 | 北海道白老郡白老町 |
発注者 | 北海道開発局営繕部 |
施工年/月 | 2019年12月 |