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知床の自然環境を守るウォータータイトトンネル

道道知床公園羅臼線 マッカウストンネル

周辺環境や施工条件

マッカウストンネルは、天然記念物のシマフクロウやカワカラスが生息し、秋にはカラフトマスやサケが遡上する、知床世界自然遺産エリアに近接しています。 本トンネルは希少種のヒカリゴケが群生するマッカウス洞窟に隣接し、トンネル工事の影響が懸念されました。そのため、ヒカリゴケの生育環境の保全対策としてウォータータイト(非排水防水型)トンネル区間を150m施工しました。

図1.マッカウストンネルの位置

写真1.マッカウストンネル(2013年10月)

ウォータータイトトンネルとは

通常の山岳トンネルは排水型トンネル(図2)で、完成後の自然水位の復元は望めません。ウォータータイトトンネル(図3)では、完成後徐々に自然水位が回復するように、トンネル全周に厚手の防水シート(マッカウストンネルでは2mm厚)を設置して、トンネル内への地下水の流入を防止します。トンネルに作用する水圧を分散させるために、トンネルの断面が真円に近くなってインバート部が深くなるという特徴があります。

ウォータータイトトンネルは我が国での施工例が少なく,北海道内では札幌地下鉄東豊線月寒トンネルにおいて,市街地の地下水対策として採用されたのみで、道路トンネルでは本トンネルが初めての施工となりました。

図2.通常の排水型トンネル

図3.ウォータータイトトンネル

防水性能向上を実現させた技術
1. 背面平滑型トンネルライニング工法(FILM)

※ 特許第4044719号 前田建設工業株式会社

マッカウストンネルでは防水シートと吹付けコンクリートの間にモルタルを充填するFILM工法(写真2)を採用して、高度な防水構造を目指しました。また、シートの損傷を目視で容易に確認できるシグナルレイヤー型の防水シートや、覆工目地部の止水性能を向上させるウォーターバリア(写真2の黒い帯状の部分)も活用しています。

写真2.FILM完了

2. インバート部の施工方法

全周を防水するウォータータイトトンネルは、上載荷重を受けるインバート部分にも防水シートを設置するので、設置箇所に突起や凹凸による防水シートの損傷が懸念されます。マッカウストンネルでは、インバート吹付けの表面を滑らかにするためにモルタルで仕上げ吹付けを行ってから、防水シートを施工しています。 (写真3,4)

写真3.インバート仕上げ吹付け

写真4.全周に設置した防水シート

2. アーチ部分の施工方法

通常のトンネルでは、防水シートを貫通させて鉄筋組立用吊金具を設置しますが、より高度な防水性能が要求されたマッカウストンネルでは吊金具の使用を避け、鉄筋組立用の鋼製支保工H-100を使用しています。また、漏水の原因となるアーチ部の空隙をなくすために、型枠バイブレータを40台使用してスランプフロー値42.5cmの中流動コンクリートを打設しています。(写真5,6)

写真5.アーチ部の鉄筋組立

写真6.覆工コンクリートの施工

施工の結果

ウォータータイトトンネルでは、紹介した技術のほかにも様々な創意工夫や細部までの配慮が必要となり、非常に難易度の高い工事だといえます。

マッカウストンネル工事は2013年10月に竣工していますが、地下水位がトンネル天端以上となってからも坑内への漏水がなく、上記に紹介した技術の有効性を確認しています。

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